番組「クイズ☆モノシリスト」。答えや出演者の知識のチェックはどうなっているの。 [変なところがキになって。]
BS朝日で放送している「クイズ☆モノシリスト」。
《各界を代表する知識人=“モノシリスト”たちが、
無尽蔵の「とっておきモノシリ知識」をクイズ形式で
出し合って楽しむ、「クイズ×トーク」
エンタテインメントショー!》だそうです。
2018年6月12日放送では、王理恵さん、
峰竜太さん、武井壮さん、ヤマザキマリさんなどが
出演し、それぞれが得意な分野の知識をクイズにしたり、
それに関連した問題、雑学を披露しました。
問題、派生問題は以下の通り。
http://www.bs-asahi.co.jp/monoshirist/quiz/006/
そこに、
《(11)カエサルが好んで
食べていたデザートとは?(ヤマザキマリ)》
という問題が出ています。
その答えは「アイスクリーム」。
カエサルはアルプスなどの氷を
早馬で運ばせ、それに蜂蜜で甘みをつけ、
乳などを混ぜて、飲んでいた(食べていた)
とされます。
ヤマザキさんもそのような解説をしていたのですが、
果たしてそれが「アイスクリーム」と呼べるのかどうか。
日本アイスクリーム協会のサイトでは、
《アイスクリーム前史》として、
ジュリアス・シーザーをとりあげ、
次のように紹介しています。
《この氷や雪を「健康食品」としてではなく、
純粋に嗜好品として求めたのがローマの英雄
ジュリアス・シーザー(BC100~44)でした。
彼は若者をアペニン山脈に走らせ、そこから氷や
雪を運ばせて、乳や蜜、ワインなどを混ぜて
飲んでいたと伝えられています。》
https://www.icecream.or.jp/ice/history/world01.html
これを「アイスクリーム」と言って
よいのかどうかは、争いのあるところです。
まあこれは良いとして、甘みとして
蜂蜜を使うというところから、
武井壮さんが蜂蜜にまつわる知識を
披露しました。
それは、体操競技の鉄棒の滑り止めに、
蜂蜜を使うというもの。
武井壮さんは、体操選手みんなが
滑り止めとして蜂蜜を使うような
話し方をされました。
実際はどうなんでしょう。
基本は「タンマ」と呼ばれる炭酸マグネシウム。
そこに各選手がそれぞれ自分好みのものを
付け加えます。
産経新聞、2016.8.3 08:14
《滑り止めの工夫は白井が蜂蜜、内村は水のみ》
http://www.sankei.com/rio2016/news/160803/rio1608030006-n1.html
蜂蜜を使っているのは白井選手。
(記事では跳馬について書かれています)
《粘着性の高い蜂蜜以外にも砂糖水や塩水が使われ、
選手によってはこれらを“ブレンド”しているという。
対照的に、内村航平は水のみ。田中佑典
(ともにコナミスポーツ)は跳馬で水を使わず
「タンマ」だけ手に付けて跳ぶという。》
武井さんは、すべての選手が使う
というような言い方でしたが、
それは正しくはありません。
この回の他の問題、
例えば、
《(5)古代ローマで洗濯に欠かせなかったものは?(ヤマザキマリ)
┗現代でも使っている古代ローマの耐震素材は?(ヤマザキマリ)》。
この派生問題の
ヤマザキさんの答えは、
「ローマンコンクリート」。
古代ローマで使われていた
コンクリートのことです。
南イタリアで産する火山灰ポッツォラを使った
コンクリートで、耐水性があり、耐久性が
現代のそれと比べて、はるかに長く、
強度も上回っているという優れたものです。
(コロッセオ、パンテオンなどに使われた)
しかし、《現代でも使っている》
というのはどうでしょう。
現代コンクリートとローマンコンクリートは、
同じ「コンクリート」とついていますが別物。
現代のコンクリートにローマンコンクリートの
技術を使い、さらに高度なコンクリートを開発する
という研究はなされていますが、
現代にローマンコンクリートは使われていません。
クイズとして、厳密に言えば、正しくありません。
問題によっては、スタッフが調査し、
番組内の出演者が披露した知識(答え)が
必ずしも唯一の答えではないと
注釈をいれている場合もあります。
しかし全員が出題者であり解答者となっているためか、
知識、解答に対するチェックが、これまでの
クイズ番組に比べると甘い気がします。
まあ、そこまできりきり突き詰めずに、
気楽に楽しむ番組なんでしょうね。
《各界を代表する知識人=“モノシリスト”たちが、
無尽蔵の「とっておきモノシリ知識」をクイズ形式で
出し合って楽しむ、「クイズ×トーク」
エンタテインメントショー!》だそうです。
2018年6月12日放送では、王理恵さん、
峰竜太さん、武井壮さん、ヤマザキマリさんなどが
出演し、それぞれが得意な分野の知識をクイズにしたり、
それに関連した問題、雑学を披露しました。
問題、派生問題は以下の通り。
http://www.bs-asahi.co.jp/monoshirist/quiz/006/
そこに、
《(11)カエサルが好んで
食べていたデザートとは?(ヤマザキマリ)》
という問題が出ています。
その答えは「アイスクリーム」。
カエサルはアルプスなどの氷を
早馬で運ばせ、それに蜂蜜で甘みをつけ、
乳などを混ぜて、飲んでいた(食べていた)
とされます。
ヤマザキさんもそのような解説をしていたのですが、
果たしてそれが「アイスクリーム」と呼べるのかどうか。
日本アイスクリーム協会のサイトでは、
《アイスクリーム前史》として、
ジュリアス・シーザーをとりあげ、
次のように紹介しています。
《この氷や雪を「健康食品」としてではなく、
純粋に嗜好品として求めたのがローマの英雄
ジュリアス・シーザー(BC100~44)でした。
彼は若者をアペニン山脈に走らせ、そこから氷や
雪を運ばせて、乳や蜜、ワインなどを混ぜて
飲んでいたと伝えられています。》
https://www.icecream.or.jp/ice/history/world01.html
これを「アイスクリーム」と言って
よいのかどうかは、争いのあるところです。
まあこれは良いとして、甘みとして
蜂蜜を使うというところから、
武井壮さんが蜂蜜にまつわる知識を
披露しました。
それは、体操競技の鉄棒の滑り止めに、
蜂蜜を使うというもの。
武井壮さんは、体操選手みんなが
滑り止めとして蜂蜜を使うような
話し方をされました。
実際はどうなんでしょう。
基本は「タンマ」と呼ばれる炭酸マグネシウム。
そこに各選手がそれぞれ自分好みのものを
付け加えます。
産経新聞、2016.8.3 08:14
《滑り止めの工夫は白井が蜂蜜、内村は水のみ》
http://www.sankei.com/rio2016/news/160803/rio1608030006-n1.html
蜂蜜を使っているのは白井選手。
(記事では跳馬について書かれています)
《粘着性の高い蜂蜜以外にも砂糖水や塩水が使われ、
選手によってはこれらを“ブレンド”しているという。
対照的に、内村航平は水のみ。田中佑典
(ともにコナミスポーツ)は跳馬で水を使わず
「タンマ」だけ手に付けて跳ぶという。》
武井さんは、すべての選手が使う
というような言い方でしたが、
それは正しくはありません。
この回の他の問題、
例えば、
《(5)古代ローマで洗濯に欠かせなかったものは?(ヤマザキマリ)
┗現代でも使っている古代ローマの耐震素材は?(ヤマザキマリ)》。
この派生問題の
ヤマザキさんの答えは、
「ローマンコンクリート」。
古代ローマで使われていた
コンクリートのことです。
南イタリアで産する火山灰ポッツォラを使った
コンクリートで、耐水性があり、耐久性が
現代のそれと比べて、はるかに長く、
強度も上回っているという優れたものです。
(コロッセオ、パンテオンなどに使われた)
しかし、《現代でも使っている》
というのはどうでしょう。
現代コンクリートとローマンコンクリートは、
同じ「コンクリート」とついていますが別物。
現代のコンクリートにローマンコンクリートの
技術を使い、さらに高度なコンクリートを開発する
という研究はなされていますが、
現代にローマンコンクリートは使われていません。
クイズとして、厳密に言えば、正しくありません。
問題によっては、スタッフが調査し、
番組内の出演者が披露した知識(答え)が
必ずしも唯一の答えではないと
注釈をいれている場合もあります。
しかし全員が出題者であり解答者となっているためか、
知識、解答に対するチェックが、これまでの
クイズ番組に比べると甘い気がします。
まあ、そこまできりきり突き詰めずに、
気楽に楽しむ番組なんでしょうね。
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