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「エロい」が広辞苑第7版で見出し項目に。サッカー界の「エロいパス」とは。

毎日新聞、2018年8月2日
《校閲至極/10 広辞苑に載った「エロい」に興奮》
https://mainichi.jp/sunday/articles/20180730/org/00m/100/004000d 

校閲部の人が執筆しているコラムです。

タイトルのように、広辞苑第7版の
見出し項目として「エロい」が
見出し語になっていることを話題にしています。

ちなみに次のように定義されています。

《(「エロ」の形容詞化)好色である。官能的である。》

校閲部の岩佐義樹さんは、
《冷静になって考えてみると今、この言葉を載せる意味が
どれだけあるのでしょう》と疑問を投げかけ、
村上春樹さんが、「村上さんのところ」の中で、
《「できれば『エロい』というのはやめてくれませんか。
せめて『セクシュアルな』と言ってください」》との記述を
紹介し、《文学者にとっては使用圏外の語》であり、
《新聞でもうかつに使ってしまうと品位を疑われてしまいます》
と。

その一方で《ただし、今後のことを思うと辞書に載せておくこと
には校閲的にも意義があるような気がするのです》とも。

どういうことでしょうか。

もともと「サボタージュ」「ダブル」から生まれた
「サボる」「ダブる」が、日本語化し、「さぼる」
「だぶる」と書かれることがある。

《校閲としては「サボる」「ダブる」に直してい》るが、
《「エロい」も将来、もしかしたら「えろい」という
表記が出てくるかもしれ》ず、《その時「エロ」の
形容詞化なのだから、と広辞苑を参照し「エロい」に
直すことがないとはいえません》と。

校閲の規範として、今回の「エロい」が
広辞苑第7版の見出し語に取り上げられた
意味があるということでしょうか。

記事は最後に、サッカーの世界の
「エロいパス」「エロいプレー」との
使い方を取り上げています。

これは《相手が嫌がる、つまり
「嫌らしい」という意味》なんだそう。

なお「エロい」は、明解国語辞典第二版、大辞林、
三省堂国語辞典第七版などでは見出し語となっていますね。

「エロ」は、広辞苑第六版に掲載されており、
《エロチシズム・エロチックの略》との
語釈が掲載されています。

大辞林では、同義語として「シモい」が
見出し語が上がっており、
《若者語で,性的にいやらしい》との
意味であると定義しています。

記事では村上春樹さんが、「エロい」を拒否した例を
揚げていますが、今から2年ほど前のNHKEテレの番組で
作詞家の松本隆さんが、対談相手の料理家の船越雅代さんの
作ったデザートを食べ、「エロい」と表現していました。

「SWITCH インタビュー達人達(たち) 松本隆×船越雅代」
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=200-20161221-35-13928
《ジャンルに縛られない独創性を持つ天才2人、
松本隆×船越雅代「SWITCHインタビュー 達人達」》
http://music-book.jp/video/news/news/130625
ならまちぃーちゃんさんのTwitter
《デザートを食べて「エロい」と言う単語を使った
松本さんにゾクッとした事ですね(笑)》
https://twitter.com/dreaming045/status/810452742409842688/photo/1

まだ作品には「エロい」は使っていない
と思いますが、日常的に使って
いらっしゃるみたいですね。

歌の中では「エロい」はかなり使われていますね。

Uta-Net 歌詞で使われている「エロい」
https://www.uta-net.com/user/index_search/search2.html

〇英語のeroticはイタリア語でerotico。
 イタリア語のessere(英語でいうbe動詞)の
 半過去の一人称形はero。発音は「エロ」に近い。
 (ただ、Rなので巻き舌で発音)
 半過去は継続中の過去。完了していない過去のほか、
 習慣的な事柄、物語の描写、丁寧な要求を表現する。

追記 2023年1月16日
〇ここ数ヶ月ほど、このブログの
 古いエントリーにアクセスが集まる現象が生じています。
 今日はこの記事にアクセスが。

 ネットを見ていると、香水の広告で「エロい」を
 見たことがあります。

 また次のような本が2013年に出版されています。
 思春期、辞典からちょっとセクシャルな言葉を
 引いて、喜んだりしませんでしたか。
 それを思い出させる一冊です。

 《『広辞苑』『大辞泉』『大辞林』『広辞林』『言泉』
 『新明解国語辞典』などの名だたる国語辞典の中から、
 性表現に関する言葉を片っ端から探し出し、それぞれの辞典で
 いかなる説明がなされているかをクロスレビュー方式で見せる。》

好辞苑 知的で痴的で恥的な国語辞典の世界



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