「海外旅行に行くだけで50万円のアルバイトです」。「この小包、日本までちょっと届けてくれないか」と言われたら。

「海外旅行に行くだけで、50万円さしあげます」

そんなキャッチフレーズが書いていたら、
おかしいなと思うのが普通。

「お、それは、すごいなー」と思った方は、危ないのかも。

毎年、税関が発表しています。

海外から、

麻薬、覚醒剤などを密輸して捕まったという事例です。

これまで逮捕歴がない、暴力団などと関係のない
素人の人が増えているようです。

また恋愛感情を利用して運び屋にさせられてしまった
70代の女性も先日、摘発されています。

恋愛感情につけ込む手口は、「ラブ・コネクション」と呼ばれるのだそう。
本人も知らないうちに、麻薬のはいったスーツケースなどを
運ばされる手口です。（本人が知っている場合もあるようですが）

成田空港で、押収された覚せい剤の総量は、11月の時点で、
総計200キロ近くになっており、年間押収量として過去最多。

これまで少なかった西アフリカ諸国からの大量持ち込みが、
相次いでいるようです。

西アフリカからの密輸が増えているのは、テロ組織が資金稼ぎとして
行っているからと言われています。
日本が狙われるのは、日本の覚醒剤の価格が、１グラム９万円ほどで、
西アフリカはもとより、アメリカなどに比べて、４～１０倍も高いから。

70代の女性は、成田ではありませんが、
ナイジェリアの男性と恋に落ち、エジプトから関空への旅でしたね。

成田では、60歳以上が8人摘発され、高齢者が目立っているよう。

全国での日本人摘発者の8割は、上に述べたように、
前科前歴がなく、暴力団関係者でもない
いわゆる「素人」、一般人なんだとか。
大金がもらえるということから、
手を出している人も多いようですね。

「海外旅行に行くだけで五十万円、渡航費用の心配もいらない」とか、
「海外からかばんを運ぶ仕事をしないか」と誘われていたよう。

日本の場合、麻薬の密輸は7年、12年の懲役という判決。
これは、覚醒剤の単純所持よりも一般的に重い判決です。

覚せい剤の一般的な単純所持・使用罪は法定刑では懲役１０年以下。
運び屋は営利目的密輸入罪となり、法定刑は、３年以上、上限は無期まで。
国内に薬物を広める大元になる行為なので、法定刑が高いのですね。

しかし、海外の薬物事犯の場合は、刑が非常に重いのが特徴。
日本人の運び屋に対し、中国では死刑、無期懲役。
タイでも無期懲役、終身刑といった判決が出ているようです。

そういえば、１９９２年に起こったメルボルン事件という
日本人が巻き込まれたヘロイン密輸事件がありました。

マレーシア（クアラルンプール）経由で、
オーストラリアのメルボルン空港に到着した、
日本人観光客５人のスーツケースの中から、
ヘロインが大量に見つかった事件です。

タイで事件にあい、日本から持ってきたスーツケースが盗まれ、
新しいスーツケースを、現地のガイドから渡され、
そこにヘロインが仕込まれていたんですよね。

もちろん逮捕された日本人５人は犯行を否認したのですが、
通訳が十分でなかったなどの不運があり、
麻薬密輸の罪で、懲役１５年から２０年の刑が確定してしまい、
現地で、服役したんですね。（2006年までに順次、仮釈放され帰国）

この事件を「ザ・スクープ」で取材した長野知子さんが書いています。
《麻薬の運び屋にされて 》（アマゾン）

こんな例は、本当にまれなことで、またそうあって欲しいですが、
自分の荷物に入れられるということもあるようです。

タイに卒業旅行に出かけた二人のアメリカ人女子大生が…。
《ブロークダウン・パレス [DVD] 》（アメリカ）

日本領事館、大使館に連絡、
しっかりした日本語能力のある通訳、
薬物事犯などに精通した弁護士が必要ですね。
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