「引用と転載」に関する弊ブログの立場、留意していること。
2月15日の弊ブログのエントリー
《フィレンツェのマヨラー、タバスコとケチャップを求めるアメリカ人を叱る》
中の一部記述が転載である旨のコメントが、
作家の池田氏から、寄せられました。
そのコメント欄に、私の引用と転載に関する考えを述べてあります。
現在、著作権の問題は、大きな問題となっています。
その中には、ホームページやブログなどインターネット上の問題があります。
例えば3月10日号の週刊東洋経済は、著作権を大特集しています。
《3月10日号『週刊東洋経済』目次》(東洋経済新報社のサイト)
まさにブログに関しての記事もあります。
《TVでおなじみの国際弁護士が教える
いつのまにか著作権法違反?ブログの正しい使い方
八代英輝/弁護士》
ここで、改めて一つのエントリーとして、「転載と引用」に関し、
お示ししておくことは、自分への戒めとなるとともに、
皆様になにがしかのお役にたつのではないかと思い、ここに書き置きます。
☆「引用」と「転載」
「転載」は、書物、雑誌、新聞、ウェブ、ブログなどの記事を、他の媒体、
ブログ等にそのまま載せること。著作権者に許諾が必要となります。
「引用」は、自分の考え、論評、学説などを補強するために、書物、雑誌、
ブログ等の記事の一部を、自分の著作物中に取り込むこと。
昭和55年03月28日のいわゆるパロディー事件の最高裁判例では、
「引用とは、紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の
著作物の原則として一部を採録すること」と定義されています。
「引用」は、一定の要件を満たせば、著作権者の許諾なく行えます。
著作権法
(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
著作権法第三十二条によれば、「公正な慣行に合致する」こと。「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」という要件があります。
一般には、次のような要件を満たすことが必要とされています。
☆公開された情報であること。
書籍、雑誌はもちろんですが、ホームページ、ブログはこれにあたります。
☆引用の目的が正当で、必然性があること。
自分の論説の補強や、展開、批評などの目的のために、
他人の著作を使う必要がなければいけません。
☆自説と引用部分が区別されていること。
《》でくくる、色を変える、スペースをあけるなどで、
読者にわかる形にします。
☆引用される部分は、従であること。
自分の論説が主であり、引用部分が従であること。必ずしも量の問題
というわけではないようですが、必要最小限であることが求められます。
☆そのままの形で引用すること。
著作権者の同一性保持権を守るということです。表現を追加、削除した
り、変えるのはもちろん、漢字をカナ、かたかなにするなど表記を変える
ことも禁物です。
☆原著作権者の名誉を害したり、意図に反しないこと
例えば、原著作者が訂正、撤回しているにも関わらず、以前の記述を、
ことさら引用し、批評する場合が、これにあたります。
☆出典を明示すること。
引用箇所に近い部分や同一記事の中に明示するなど、
引用がどこから出所したものかを示します。
ウェブの場合、リンクでも可です。
上記、指摘を受けたエントリーについては、自分では、要件を満たした
「引用」と考えております。
皆様からのご意見、ご指摘、ご叱正をお待ちしております。
《著作権法》(条文全文)
著作権法、個人情報保護法などに詳しい
岡村久道弁護士のサイト内の
《著作物の引用と転載》
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