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フーテンの寅さんは次男なのか? 「こどもちゃれんじ」の「しまじろう」と「イチロー」。

つい先日、知り合った取引先の担当者の名前には、
干支の「辰」の字が入っていました。

「辰年のお生まれなんですか?」
と聞いたら、まさにその通りでした。

その方は、男ばかりの3兄弟の末っ子。
二番目のお兄さんは、寅年産まれで、
次男なので「虎二郎」(もしかして「寅次郎」かも)なんだそう。

しかしご長男は、全く干支には関係なく、太郎、一郎でもないそう。

その一族では、寅年と辰年に生まれた男子だけが、
干支の字を使った名前をつける習わしなんだそうです。

それで考えたのが、寅さん。
山田洋次監督の国民的な映画「男はつらいよ」
の主人公についてです。

寅さんの名前は、車寅次郎。
妹が「さくら」ですね。

二人きりの兄妹なのに、
なんで車寅次郎なんでしょうか?

寅さんは、父親が車平造で、お母さんは、芸者をしていた菊さん。
実母・菊さんが、いなくなってからは、父親のもとに引き取られたものの、
16歳の時に、父親と大げんかして、家を飛び出し、
放浪生活をしていたのですね。

で、妹の「さくら」は、お母さんが違う。

寅さんの誕生日は、昭和15年11月29日なんだそう。
これは、第26作「寅次郎かもめ歌」の中で、
定時制高校に入学するために願書を出す場面があり、
そこに寅次郎自身が自身の生年月日として書いているものです。
(シリーズの中で、年齢に関しては、矛盾するところがあるそうです)

ちなみに寅さんを演じた渥美清さんは、昭和3年1928年3月10日生まれ。
(辰年。本名:田所康雄さん。お父さんは、友次郎でお母さんはタツ。
渥美さんは次男で、お兄さんは健一郎さん)

で、昭和15年1940年の干支は、辰年なんですね。
なんで寅次郎なんでしょうか?

調べて見たら、さくらと同じ母親(本妻)との間に、
寅次郎の腹違いの兄で長男の竜一郎がいたのですね。
けれど、釣りに出かけ、事故で亡くなったのだそう。
ですから、本編には登場していないと。

つまり寅さんは次男。

またこの映画を製作した松竹には、「喜劇の神様」と言われた
斎藤寅次郎という名監督がいて、大先輩で尊敬する監督にちなみ、
山田洋次監督がつけたそう。(斎藤監督は後に東宝、フリーに)

脱線しますが、斎藤寅次郎監督は、8人兄弟の次男。
1905年明治38年1月30日生まれ。寅年ではなく巳年生まれです。

また名字の車は、寅次郎を演じた渥美清さんが、
生まれた上野・車坂からとったとのこと。
(今の上野7丁目あたり。寛永寺の車坂門に由来するそう。
お墓参りに行く時に必ず通る場所だな-)

ちなみに、妹のさくら(櫻)は、松竹の脚本部にいて、
後に独立した橋田寿賀子さんが、テレビ版「男はつらいよ」に
参加していたときにつけたのだとか。

というわけで、寅次郎は、昔ながらの日本の伝統にのっとった
名前という訳ですね。

「寅(虎)」と「じろう」ということで思い出すのは、
「こどもちゃれんじ」の主人公「しまじろう」。

皆さんはご存じですか?

ベネッセがさかんに宣伝しているキャラクターで、
小さなお子さんをお持ちのお父さん、お母さんは
よくご存じだと思います。

http://www.shimajiro.co.jp/

で、「しまじろう」は、虎の子ども、長男という設定です。
しまじろうには、3歳下の妹「はな」ちゃんがいます。
(とらのしまじろう、とらのはな)

今から15年ほど前に、友達に子どもが生まれ、
この「しまじろう」が出てくる
「こどもちゃれんじ」を毎月、とっていた頃、
「しまじろうはなんで長男なのに、じろうなんだろう?」
と疑問に思ったのだとか。

夫婦二人で出した結論は、
「お兄ちゃんがいたのだけれど、亡くなってしまった」。

なんだか寅さんみたいですね。

ところがよく調べて見ると、「たろう」がいたんですね。
なんのことはない「とらのしまじろう」のお父さんが、
「とらのたろう」だったんですね。

さらにお母さんの名前は、「とらのさくら」。

お父さんの「たろう」はともかく、お母さんが「さくら」。
なんだが、やっぱり寅さんみたいだなー。

ちなみに、とらじろうの誕生日は、5月5日。
妹のはなちゃんの誕生日は、3月3日かと思ったら、
4月4日なんですね。

お父さんが「たろう」で、
子どもが長男でも「しまじろう」っていうのもありなのかな?

てな話をしているうちに、またまた思い出したのが、
大リーグでも大活躍している「イチロー」。

本名は鈴木 一朗。
けれど、彼は次男なんですね。
お兄さんがいらっしゃる。
4歳上のお兄さんは、グラフィックデザイナーの鈴木一泰さん。
長男らしく、「一」がついていますね。

お父さんは、鈴木宣之さん。お母さんは、淑江さん。
お父さんの字から、男の子につけたのかと思ったら違いました。

イチローのお祖父さんが、銀一さんで、
銀はなかなか人名には使いづらいが、
「一」は縁起がよさそうなので、その「一」をとったのだとか。

また二人の名前には、お父さんのその時々の立場、心情が
反映されているそう。

お兄さんのお名前をつけた時、お父さんは、サラリーマン。
「一に安泰」という気持ちから、「一泰」とし、
イチローが生まれた時は、すでに独立して商売をしていたので、
「一に明るくあるように」ということで、「朗(らか)」という字を使い、
「一朗」としたとのこと。

父や祖父から一字もらうというのは、
これまた日本の伝統的な名付け方ですね。

名前って面白いですね。

関連エントリー
子どもの名前。「サクラ」ちゃんは、アメリカで大丈夫か?
山田洋次監督、2011年が監督生活50周年だそう。
このDVDマガジンには、寅さんの少年時代を描いた
山田監督の小説が掲載されています。

男はつらいよ 寅さんDVDマガジン VOL.1 2011年 1/18号 [雑誌]》(アマゾン)

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これからの赤ちゃんには、どんな名前をつけるのがいいんでしょうね?
国際化も考えないといけないのでしょうか?

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■ 記事はここまで




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nikitoki

山田洋次監督は、1931年9月13日生まれの未年ですね。「洋次」という名前なので、次男なのかと思いますが、どうなのでしょう。
by nikitoki (2011-03-09 17:41) 

nikitoki

朝日新聞、《(文化の扉)はじめての寅さん 人情深く明快、生き方の理想像
》2016年1月17日05時00分で、車寅次郎という主人公の名前の由来について書かれています。《原作者の山田洋次監督によると落語の「熊五郎」という名前を検討したが、威勢のいい「寅」に。秀才の兄がいて次男坊だから「寅次郎」になった。「轟(とどろき)」という姓も考えたが、語感が強すぎるので「車」一つにしたという》。

by nikitoki (2016-01-17 12:59) 

nikitoki

2019年10月19日、NHK総合であの寅さんの少年時代を描いたドラマ「少年寅次郎」が始まりました。1回目の放送で寅さんの生い立ちが描かれました。その影響でこのエントリーにアクセスが集まっています。なおドラマの原作「悪童」は、山田洋次監督の小説です。それにしてもあの子役、渥美清さんに似ていましたね。
https://www.nhk.or.jp/drama/dodra/torajiro/
by nikitoki (2019-10-20 11:01) 

nikitoki

少年時代の寅次郎を演じているのは、およそ600人のオーディションで選ばれた藤原颯音(はやと)君(9歳)。新聞記事によれば、ドラマの制作統括の人が、この小説のドラマ化を相談しにいった際、監督は、「子役がいるかね」と言われたとのこと。藤原君に決定し、衣装合わせの写真を山田監督に見せたところ、「いいじゃない、かわいいね」とお墨付きをもらったとのことです。なお藤原君は、ドラマ出演経験はあるものの、今回が初めての役名のあるドラマとのこと。頑張ってますね。
by nikitoki (2019-10-24 02:26) 

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