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リニア中央新幹線と火山の影響。御嶽山噴火で気になる。川内原発と火山。 [気になるニュース]

御嶽山が突然、噴火し、多くの方が犠牲となっています。

予知の限界を示した一例のようです。

ここで少し気になったのが、
中央リニア新幹線そして原発です。

中央リニア新幹線のルートで、
岐阜県の駅は、現在の中央本線JR美乃坂本駅に
隣接して作られます。

果たして大丈夫なのか?

《リニア中央新幹線の岐阜県駅を中津川市西部のJR中央本線美乃坂本駅に
近接する位置に設置し、また中部車両基地(工場)を岐阜県駅付近の
丘陵地に設置する計画がJR東海より公表されました。》
http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/wiki/%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A

リニア中央新幹線のルートは、甲府から
南アルプスの下の長いトンネルを抜け、
飯田市を通り、岐阜県中津川市へ。

美乃坂本駅は、御嶽山からほぼ南方向に、
およそ50キロほど離れた場所にあります。

御嶽山の噴火の歴史については、以下のように考えられています。

〇過去1万年間に複数回のマグマ噴火が発生。
  最近1万年間にマグマ噴火は4回発生。
  水蒸気噴火は数百年に1回の割合で、堆積物として残る規模のものが発生。
  1979年噴火以前の歴史記録に残る噴火は発見されて無い。
  山頂南西の地獄谷における噴気活動は、最近数百年間は継続。

〇有史以降の火山活動
  1979年の噴火が大きい噴火でした。
  それを含め、今回の噴火をふくめると4回噴火が発生。
  しかし噴火の規模は比較的小さい。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/312_Ontakesan/312_history.html

これらを見ると、美乃坂本駅まで大きな影響を与える噴火は
考えにくいものと判断されているようです。

JR東海が行った火山についての評価は以下の通りです。

平成25年11月。
《中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価準備書に対する
意見の概要及び当該意見についての事業者の見解》

《火山の噴火等の影響については、国の火山噴火予知連絡会で
挙げられている活火山は路線近傍にはありません。
なお、最も近い活火山である富士山(直線距離で 30km 以上の離れ)の
噴火時への対応についても、まず噴火に伴う地震の対応については、
リニアの特性や、最新の耐震基準に基づく設計、速やかに列車を
停止させるシステムの導入により安全性が確保されます。
次に溶岩流、噴石、火砕流、降灰等への対応については、
国や地方自治体で構成される富士山火山防災協議会が
作成した富士山火山防災マップ等をもとに検討しますと、
噴火直後には火砕流や噴石が直ちに当社施設へ影響を
及ぼすことはありません。
しかし、火山灰、あるいは場合によっては溶岩流が時間の経過と共に
影響を及ぼす可能性がありますので、気象庁等からの
情報収集を迅速に行い、被害が想定される場合は、その地域には
列車を進入させない、運転を見合わせるなどの
運転規制を実施してまいります。 》

なお次に南アルプスの隆起に付いても述べられています。

http://company.jr-central.co.jp/company/others/prestatement/tokyo/_pdf/tokyoopinion.pdf

リニア中央新幹線のルートで
一番近い活火山は富士山だったんですね。
これには驚きました。

続いて原子力発電所と火山について。

これは先日、鹿児島県の川内原発の
再稼働審査の際に問題となりました。

原子力規制委員会は以下のようなガイド案を持っています。

平成25年4月
《原子力発電所の火山影響評価ガイド(案)》
https://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_anzenkijyun/data/0021_04.pdf

《原子力発電所火山影響評価技術指針》
http://www.denki.or.jp/committee/nuc/jeac/4625/jeag4625.html

それによれば、
「活動する可能性が否定できない火山」が、
原発から半径160km以内にある場合は、
火山事象(火砕流や火山灰、火山ガスなど)の影響を評価し、
必要に応じて具体的な対策などを求めています。

この再基準をあてはめると、
九州電力・川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)はもちろん、
日本の17カ所すべての原子力発電所がその対象となります。

《日本国内における原発と活火山の距離》
http://www.hazardlab.jp/pdf/20130411.pdf

ちなみに活火山とは、
「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び
現在活発な噴気活動のある火山」と定義し直しました。
(2003年、火山噴火予知連絡会)
その基準によると日本の活火山は現在110。

そのうち、47火山は
「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」
として、気象庁がその火山活動を24時間体制で
常時観測・監視しています。

さて、川内原発の場合ですが、
上記の160キロ圏に、過去に巨大な噴火があったことを示す
カルデラが主なモノだけでも5つあります。
(阿蘇、加久藤・小林、姶良、阿多、鬼界)

九州電力は、このうちの3つについて、
火砕流が川内原発がある地域に達した可能性を認めています。

〇米丸まで36キロ、桜島まで52キロなど。

原子力規制委員会は2014年7月に、
川内原発の設置変更許可申請が
新規制基準に適合しているとしました。

しかしその後、8月25日と9月2日に開かれた
原子力施設における火山活動のモニタリングに関する
検討チームの会合で、この審査に関する疑義が
火山専門家から出されました。

〇再稼働の審査、中でも火山審査に火山の専門家が入っていない。
 その後、モニタリング方法についての検討チームに
 ようやく火山などの専門家を入れた。

〇規制委の火山審査
 川内原発の運用期間中にVEI7以上の
 巨大噴火が起こる可能性は十分に小さい、とした。
 モニタリングを行うことで巨大噴火を予知でき、
 さらに予知してから噴火までに核燃料を搬出する
 十分な時間があると判断。
 この根拠となったのが、ドルイット論文。

〇8月25日の会合で、火山噴火予知連絡会会長の
 藤井敏嗣・東京大学名誉教授が、この論文は、
 3500年前のサントリーニ火山のミノア噴火でのことを述べたものであり、
 カルデラ噴火一般について述べたものではないと指摘。
 (論文著者本人にも確認)

〇九州電力はマグマ供給時の地殻変動や地震活動を観測することで
 モニタリングを行う計画とし、規制委も妥当と認めた。
 藤井名誉教授は、隆起が必ずしも起こるとは限らないと指摘。

〇東京大学地震研究所の中田節也教授
  巨大噴火の時期や規模を予測することは困難であると発言。
  上記の火山ガイド自体に疑問ありと。
  また噴火には様々なパターンがあり、核燃料の冷却・搬出に必要な
  数年~10年程度より前にわかるとは限らないとも。

〇専門家が判断できないのに、原子力規制委員会や
 規制庁が責任を持って判断できるのか?

〇桜島の火山活動を研究している京都大学の井口正人教授は、
 大正大噴火と同様な大噴火が起きるのではないかと心配。
 桜島の周辺の地盤が大正大噴火の直前の高さに迫っている。
 温度の変化。2010年は温度が上がり、噴火の回数も増加している。

 井口教授の発言は、
 2014年9月21日放送。NHKスペシャル
《火山大噴火 迫りくる地球規模の異変》より。

関連エントリー
御嶽山が7年ぶりの噴火。けが人も。先日、地元・下呂市に行って帰ってきたばかりの母、驚く。



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nikitoki

長野ー富山間の北陸新幹線のルート案の一つとして、長野から西に直線ルートでトンネルを掘り、富山に向かう北アルプスルートがあったが、北アルプスの火山地帯を通るということで選択肢から外された。
《北陸新幹線(長野 北陸新幹線(長野 富山間)のル トについて》
http://www.mlit.go.jp/common/000125056.pdf
by nikitoki (2014-09-30 03:45) 

nikitoki

北海道新幹線。函館から札幌に至るルート。現在は、八雲、長万部、倶知安、小樽、そして札幌を通る北回りルートが採用されている。検討案の一つとして、室蘭、登別、苫小牧、千歳を通る南回りルートがあった。しかし、このルートの近くには有珠山、樽前山と活火山があり、噴火、降灰により不通の可能性がありとされ、選択されなかった。なお平成24年6月28日の津波浸水想定では、長万部駅は津波被害が想定されている。長万部町《津波ハザードマップ》
http://www.town.oshamambe.lg.jp/modules/life/content0165.html
by nikitoki (2014-09-30 04:09) 

nikitoki

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、2014年10月1日の定例記者会見で、今回の御嶽山の噴火と、九州電力川内原発で想定される巨大噴火は全く別の話であり、一緒に議論するのは非科学的だと述べました。
川内原発で考慮した噴火は、御嶽山の噴出物の100万倍の規模、火砕流は100キロを越えて到達するというもの。九州電力は、川内原発から160キロ圏内の14火山について評価。噴火しても敷地への影響はないとし、桜島の噴火で敷地内に15センチの火山灰が積もることを想定して対策を講じたとしています。
by nikitoki (2014-10-02 09:44) 

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