うちより安い価格見つけたら、差額に加え5000円のバウチャー差し上げます。エールフランス、ＫＬＭ。

「他店より高い品物があればお申し付け下さい」とか、
「他店より高い品物があれば値引きいたします」なんて書いた
貼り紙を見たことがある方多いと思います。

大抵は、家電量販店。

航空券のネット販売で、そんな最低価格保証を、
エールフランスが行っています。

5月17日の夕刊に出ていた
エールフランスの広告は、次のようなものでした。
《オンライン航空券の最安値保証　
エールフランスがキャンペーン》。

最安値保証は、

ベストプライス・ギャランティーのこと。
http://www.airfrance.co.jp/index.html
エールフランスのキャンペーンは、
ベストプライス・ギャランティ《の開始を記念して、
6月2日～7月31日にエールフランス航空のＥメールニュースに
新規登録した人の中から抽選でペア1組に、
バルセロナ発地中海豪華クルーズ及び
バルセロナまでの往復航空券をプレゼント》です。
（エールフランス航空のサイトでこの情報が書いた時点で見つけられない）

ベストプライス・ギャランティーは、
《エールフランス航空（www.airfrance.co.jp）のウェブサイトでは、
最安値を保証いたします。》というもの。

具体的にどんな内容なのか？

《エールフランスのウェブサイト以外で、弊社サイトでの販売価格よりも安い金額の
エールフランスの航空券を見つけた場合、エールフランスは差額分に加えて
5,000円分のトラベルクレジットバウチャーを差し上げます。》

対象商品は、エールフランスの航空券。
もちろん同じ路線の同じ日の同じクラスの航空券でないといけません。
（同一の便名、同一の旅程、同一の運賃条件）

細かい条件に関しては、以下に出ていますが、
エールフランスのサイトで航空券を買ったその日に、
1000円以上安い航空券を、見つけないといけない
というのが一番きつそうかな。

昔、今のようにネットが余り発達しておらず、
まだ旅行雑誌が数多く発行されていたときには、
それぞれの旅行会社の値段は、同じ航空会社のチケットでも、
かなり異なっていることがあり、いろいろ回ったり、
電話して買う会社を選んでいたものでした。

それがネットでチケットを購入する人が増え、
リアルタイムで、値段の比較が簡単にできるようになると、
歩き回ったり、電話したりする苦労は減った代わりに、
値段の差も平均化してきたように思います。

同じ路線の違う航空会社の便であれば、
値段もかなり違うのですが…、
エールフランス航空の同じ条件の便では、
旅行会社による差は余りない気も。

さてエールフランスの最安値保証ですが、
細かい条件としては、上にあげた同一日にメールで報告する
という期間の他に、「情報の確認」というのがあります。

顧客の情報が実際に存在するかどうかを調べるというもの。

《情報の確認：　エールフランス航空は、Eメールでのお申し込みの後、
当該の価格情報が実際に存在するか、空席があり予約可能か、
またエールフランス航空のウェブサイトの価格が最安ではなかった旨を確認いたします。》

これは、嘘の安値を言われたのでは困るので、当然といえば当然。

チケットは、《一般のお客様に公開している、
エコノミークラスの全種類の運賃が対象》なんですが、
例外があります。

例えば、
《※ チケットを購入するまで航空会社・便名・旅程が
不明の航空券などの、その他割引運賃》。

これはいわゆる格安航空運賃という場合に多いもの。
実際にそうしたチケットの航空会社がエールフランスであり、
便名がわかるのは、かなり後、つまり旅行時期が近づいてから。
そこまで待っているとそうした航空券は、売り切れてしまうことも。

という訳で、実際に航空券を事前にいろいろ比較して、
買うのを決める場合の事を考えてみると、
この最安値保証サービスを利用する機会は、
思っているより少なそうな気がします。

またもしこれを利用することがあったとして、メリットは、
客よりもエールフランス航空に多い気がします。

つまりエールフランスのweb上から、
すでに航空券を申し込んでいるわけで、
その客がエールフランスに乗ることは変わらない。

また差額は支払っても、5000円分は、
エールフランスにしか使えないバウチャーですから。

客側がこの5000円のバウチャーのために、
まずエールフランスのネット上で買い、
それより安い会社の情報を1日以内にメールするなんて手間をかけるかどうか。

事前に比較して安いチケットがあれば、早く確定するために、
安いよその旅行会社で買ってしまうのでは。

今回の最安値保証は、客のためというより、
どちらかというとエールフランスのためのような気が。

随分前ですが、新宿のヨドバシカメラとサクラヤを回り、
ヨドバシカメラで、サクラヤの値段を言って、
それより安くしてもらったことがあります。

これは手間もわずかで、現金値引きだからこそ。
バウチャーではねー。

ちなみにこのベストプライス・ギャランティーは、
エールフランスと同じ会社であるＫＬＭでも行っています。
http://www.klm.com/travel/jp_ja/special_offers/best_price/index.htm

同じ路線、同じ日、同業他社の中で最安値を保証するだったらすごいんだけどなー。

例えばソニーが自社の液晶テレビを、自社のサイトで販売していて、
最安値を保証しますという場合。
それは、ソニーの同じ型番の液晶テレビでの比較でなければ意味がないですよね。

とすれば、今回のエールフランス航空の最安値保証が、
エールフランス航空の航空券に限るというやり方はしょうがないのかなー。

家電量販店でも、「一円でも…」というのは、同じ会社の同じ型番の製品だものなー。