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予讃線五郎駅。川の下を鉄道が通る鉄道トンネル。全国に3カ所。芦屋川トンネル、住吉川トンネル。そして…。 [旅行]

朝日新聞夕刊の《ニッポン人脈記》、
2009年2月19日は、《心の鉄路④》で、
銀河鉄道999の作者松本零士さんの、
故郷の一つである予讃線五郎駅を取り上げています。

この駅の近くに松本さんの親の実家があったそう。

終戦前後、氏は幼少期をここで過ごしたのだとか。

《夜、家からは満天の星の下を通る蒸気機関車が見えた。
「石炭をくべるたびにボーッと、赤い灯が煙に反射するんです。」

そのイメージは後年、九州から上京した体験などとともに「999」に結実する。
「五郎駅こそ、私に夢を与えてくれた場所でした」》と。

にぎやかだった五郎駅は、1986年、松山駅と内子駅を山間部で結ぶ
短絡線が出来たことによって衰退していきます。

昔は、五郎駅から内子線は、予讃線と分岐していたのですが、
現在は、伊予大洲駅が分岐駅となっています。

松山駅から海沿いを通り、肱川を遡っていたルートは、
現在も存続していますが、
特急列車はすべて山間ルートの内子駅経由のため、
海沿いルートは普通列車しか通らなくなっています。

JR四国
http://www.jr-shikoku.co.jp/

天童荒太氏の小説「永遠の仔」で有名となった
夕陽が日本一きれいに見える駅「下灘駅」は、
この海岸線ルートにある駅の一つ。

朝日新聞。
《あかねさす永遠の海 JR予讃線・下灘駅》
http://www.asahi.com/kansai/sumai/ensen/OSK200710130026.html


この予讃線は、自分にとっても結構、思い出のある路線です。

この下灘駅に限らず、予讃線の波方を超えて、
大西、伊予亀岡、菊間、浅海…などは、夕日が綺麗な区間です。

丁度、夕方に下り列車に乗車すると、瀬戸内海に沈む夕日と、
空の残照、波に映る銀波をずっと眺めることが出来るんですね。

叔父さんが、国鉄に勤めていて、
仁堀航路(広島・仁方ー堀江の連絡線)の
船長をしていた関係で、堀江も懐かしい駅の一つです。

祖母は、丁度、予讃線が壬生川(にゅうがわ)駅に開通した頃、
小学生で、提灯行列で開通を祝ったと、小さい時に聞いたものです。

調べると、伊予西条から壬生川まで開業したのは、
1923年、大正12年5月1日のこと。
さらに壬生川-伊予三芳間が開業したのは、同年10月1日。
伊予三芳ー伊予桜井間は、12月21日開業。
さらに伊予桜井-今治間は、1924年2月11日に開業しています。

祖母によれば、伊予西条から鉄道をのばす時、
本来なら、当時、一番栄えていた丹原方向に行く予定だったのが、
反対運動があり、海沿いに敷くことになり、壬生川方向にのばした。

けれども、街中を通すと、蒸気機関車の煙の害が出る
とのことで、当時の町外れの場所に駅が出来たと。

その影響が鉄道の形に表れており、
伊予小松から玉之江にいたる線路は、
大きくカーブしているのだとか。
(なおこうした話を鉄道忌避伝説といい、それを実証した本に
鉄道忌避伝説の謎―汽車が来た町、来なかった町 (歴史文化ライブラリー)》があります)

またこれは叔父から聞いた話ですが、
壬生川ー伊予三芳間には、日本でも珍しいトンネルがあると。

それは、川の下を通るトンネル。
一般的には、トンネルは、山をくりぬいて通すものだけれど、
そのトンネルは、川底を通っていると。

大明神川トンネル。
ほんの短いトンネルですが、日本でも3~4つしかないと聞かされたものです。

その理由はこの川が天井川で、川底が川の両側の土地より高いため。

こちらに詳しく記述されています。
《鉄道関係モノ》の中にある大明神川トンネルがそれです。
愛媛県東予市とありますが、現在は合併して西条市となっています。
http://uroneko02.com/railway_1.htm

祖母も、壬生川-伊予三芳間を通すために、
工事が大変だったと話していました。

ちなみに、祖母はその後、神戸(さらに大阪)で暮らすのですが、
残りの天井川で川底を通っている鉄道トンネルは、
芦屋川、住吉川にあります。(芦屋市、神戸市東灘区。
もう一つ石屋川にあったが、高架になったため使用されなくなった)

こちらに解説されています。
http://www.rokko.kkr.mlit.go.jp/rokko/study/ashiya/ash-b_1-3.pdf

ところで、当初、鉄道敷設の折に、考慮されていた予讃線のルートは、
伊予小松から丹原を経て、桜三里の難所を越え、松山へと結ぶものだったとか。

しかし、桜三里の急峻な山道をつなぐことは当時の技術では難しく断念したようです。

けれど、このルートは、将来、実現されるかもしれません。

四国にフリーゲージトレインを導入し、
新幹線を岡山、瀬戸大橋を通って、松山に結ぶプラン、
予讃線短絡線という形で検討されているのです。

《四国地域における鉄道の活性化について》
http://www.mlit.go.jp/singikai/koutusin/koutu/chiiki/3/images/04.pdf

実現すれば、非常に嬉しいのですが、
見果てぬ夢で終わるのかもしれませんね。

そのルートを示しているサイトもあります。
《予讃線改良案》
http://chizuz.com/map/map30076.html

《JRT四国》という非常に興味深いサイトも。
http://www.shikoku.org.uk/JRT/TOP.htm

こちらのニ2008年11月3日のニュースリリースによれば、
《予讃線・小松・松山バイパスルート(正式名称:四国高速開発鉄道 三方ヶ森線)》
と名付けられており、
<小松松山バイパス工事進捗状況>》は、順調に推移しているよう。
2015年開通を目指しているとのことです。

(念のために申し上げておきますが、上のサイトは、JR四国ではなくJRT四国。
個人の方が自分の頭の中で考えた理想の鉄道のことです)

先日、東京駅から東海道、山陽新幹線、
さらに「しおかぜ」で岡山から瀬戸大橋を経由し、壬生川駅まで
乗車しました。(往復)

四国に旅行。飛行機より新幹線。

今度は、父方の祖父母の墓参り、そして夕日の鑑賞をかねて、
さらに予讃線を松山方向に乗車してみたいものです。


新潮社の日本鉄道旅行地図、中国・四国地方は、
2009年3月18日発売予定。
http://www.shinchosha.co.jp/railmap/01.html

 


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