2019年9月13日の朝刊。
きょうのテレビ番組の内容を紹介する欄に、
TBSの《爆報道THEフライデー》が
取り上げられていました。
その紹介文を見て、思わず「えっ」と
言葉が出てしまいました。
どのように書かれていたのか。
《ゲストは歌舞伎俳優の八代目中村芝翫。
「中村芝翫」という名前は200年の歴史を持つ
歌舞伎界でも有数の大名跡》。
以下は略します。
あなたは読まれてどう思われましたか。
「200年の歴史を持つ」はどこにかかる
と思われましたか。
自分は「歌舞伎界」と。
しかし、おそらくこの文章を書かれた方は、
後ろの「大名跡」と考えたのでしょうね。
(みょうせき=代々受け継がれていく家名・俳優名)
中村芝翫
https://www.narikomaya.jp/nakamura-shikan.html初代は、《一時期、江戸へ下る時だけ
俳名の芝翫を芸名として使用していた》とのことで、
もともとは、俳句の時の名前を使っていたのですね。
文化文政期の名優とあります。
《安永7年(1778)生~天保9年(1838)没》
ですので、おおよそ1800年頃とすると、
今から200年余り前のこととなります。
ということは、やはり200年は、大名跡にかかり、
200年余りも続いているということになります。
歌舞伎界、歌舞伎は、出雲阿国から数えると、
江戸時代初めに創始されたことになりますから、
通常、歴史を言うときは「400年以上」と形容されます。
なので、自分は違和感を覚えた訳です。
こうした自分のような読解力がない人が、
誤解をしないようにするためには、
どうしたらよいのか。
よく注意されたのは、
かかる言葉のすぐ近くにおくこと。
(修飾語は被修飾語のすぐ前に置く)
この場合ならば、「大名跡」のすぐ前に置く。
《「中村芝翫」という名前は歌舞伎界でも
有数の200年の歴史を持つ大名跡》
わかりにくいので、読点を入れる。
《「中村芝翫」という名前は
歌舞伎界でも有数の、
200年の歴史を持つ大名跡》
上の文章も読点だけでも入れていれば、
誤解をしにくくなったかも。
《「中村芝翫」という名前は
200年の歴史を持つ、
歌舞伎界でも有数の大名跡》。
持つと歌舞伎界の間に読点が入っていると
そこで意味が切れるので、誤解はしにくくなります。
さらに少し手を入れて、
《「中村芝翫」という名前は、200年の歴史を持ち、
歌舞伎界でも有数の大名跡》でしょうか。
でもやっぱりここは、修飾語をすぐ前に置けですよね。
○修飾語を二つ以上使う時は、長いものを先に、
短いものを後にする。
(長すぎる修飾語は使わない)
○修飾語を二つ以上使う時は、
重要なものから先に出す。