松本零士さんに対し裁判を起こしていた槇原敬之さん。
東京地裁で判決が出ました。
12月27日、産経新聞。
《松本零士さんに賠償命令 槙原さんに「盗作の事実なし」》
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/081226/tky0812261744008-n1.htm
CHEMISTRY(ケミストリー)の「約束の場所」
「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」
松本零士さんの漫画『銀河鉄道999』のセリフ
「時間は夢を裏切らない、夢も時間を裏切ってはならない」
清水節裁判長は、二つの意味は異なり、似ていないとし、
歌詞は漫画のセリフによって作られたとは断定できないと。
つまりこの歌詞は、漫画のセリフを知らなくても思いつくことが可能と。
この産経の記事では触れていませんが、
松本氏による、牧原氏が電話で盗用を認め謝罪した
との発言は事実と認められず、名誉毀損にあたると断じています。
他の新聞記事では、
○槇原氏…セリフを知っていたかどうか認められない。
○歌詞が似ているからといって、セリフに依拠したとは断定できない
とも。
自分にとってはちょっと意外な感じです。
(裁判を起こした時点で、著作権に詳しい弁護士は、
松本零士氏に勝ち目がないことを予想していましたが…)
東京地裁の清水節裁判長。
他にどんな判決を下しているのか、少し調べてみたところ…。
アニメ「宇宙戦艦ヤマト」に関する著作権侵害の事案を扱っていますね。
パチンコ製作会社(遊戯具メーカー)が使った映像が、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の
戦艦や人物のキャラクターの著作権を侵害していると映像製作会社が訴えたのです。
その裁判で、清水裁判長は、遊技具メーカー側の勝訴判決を言い渡しています。
裁判長は、
《「宇宙空間を背景に先端部の発射口から光線を発する
飛行物体を描いた映像などは、特に目新しい表現ということはできない」
と述べた。》と報道されています。
他に
○宇宙を戦艦が飛行することはアイデアで、著作権法の保護対象ではない。
○宇宙戦艦ヤマトの外観は、戦艦大和のプラモデルにも似ていて、ありふれた表現。
○人物は顔、服装など細部が違うので異なった印象を受け、著作権侵害なし。
これ、三共の「大ヤマト」ですね。
三共の「大ヤマト」。
http://www.sankyo-fever.co.jp/download/down_dy2.html
松本零士さんの作品なんですね。
訳わからん。
つい先日、2008年12月15日に和解しているようですね。
《東北新社,「宇宙戦艦ヤマト」の著作権侵害訴訟で三共など5社と和解》
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081215/321514/
東北新社のプレスリリース。
《「宇宙戦艦ヤマト」著作権侵害訴訟和解について》
http://www.tfc.co.jp/news/detail.php?reg_id=203
この中に
《東北新社は、日本のアニメーション史に残る
不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」の
著作権を正当に保有する会社》とありますが、
そう言えば、アニメの「宇宙戦艦ヤマト」に関しては、
やはり松本零士さんが、著作権を争って裁判を起こしていましたね。
(裁判外で和解)
http://www.nihonmangakakyokai.or.jp/yamato_2.htm
松本零士さんは、漫画の著作権を確立しようとして、
頑張っておられるようです…。
2008年10月31日。
《著作権保護期間は「金の問題」? 中山信弘氏や松本零士氏が議論》
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/31/news097.html
他に清水裁判長の携わった裁判。
2008年12月27日。
《黒烏龍茶:類似商品でサントリーの訴え認め2社に賠償命令》
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081227k0000m040114000c.html
著作権。なんだか難しいなー。
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