2010年11月10日東京新聞夕刊。世界の町、海外リポート。
ロンドンの有賀信彦特派員の記事。
《「ノブ」が珍名とは》との見出しが付いています。
ノブとはもちろん有賀信彦特派員のこと。
「ノブ、と呼んで」とイギリス人に話しかけると、
きまってけげんな顔をされるのだそう。
あなたは、なぜだかわかりますか?
その理由は、
《ロンドンの友人によれば「ノブ」は俗語で「おちんちん」》。
ノブで英語圏で思い出すのは、
あの有名な創作和食のレストランのシェフと
お店の名前。
ニューヨークのお店には自分も行きました。
有賀特派員もあげています。
そう「NOBU」です。
http://www.noburestaurants.com/今や、ニューヨーク、ロス、東京のみならず、
ロンドン、ワイキキ、北京など世界中にお店を開いています。
さて、ノブは、本当に(ロンドンの)スラングで
男性の局所を指すのか?
調べてみました。
nobでありました。(knob)
《Noun. 1. A penis.
2. An idiot, an objectionable person.
3. A person of wealth and high social standing,
a member of the upper-classes.
Verb. To have sexual intercourse.
* Also, and more commonly spelt 'knob'. 》
http://www.peevish.co.uk/slang/n.htmあれ、確かに1は、おっしゃる通りなんですが。
3は、お金持ちで上流階級の人という意味ではありませんか。
(ここからさらに「頭」という意味もあるようです)
でも2番は、バカとか、気に触るやな奴とか、
いかがわしい輩って意味だし…。
うーん、全体的にはよくないなー。
《The Routledge dictionary of historical slang 》の
P514にも1の意味で出てきます。
knobはglans penisでもあるよう。
この意味が出てきたのは、19世紀から20世紀とか。
ジーニアス英和大辞典でも、nobの3として、
「《英性俗》ペニス(knob)」とあり、
knobを引くと、7番目の意味に
「《英性俗》陰茎(penis)」が出現します。
おお。
いやーなかなか名前って、難しいですね。
そういえばと、思い出したのですが、
信彦というお名前の作家が、アメリカの留学した時、
一般的には愛称を「ノブ(NOBU)」とつけるところ、
「ノビー」とつけた(つけられた)とのエッセイを
読んだか、聞いたかした覚えがあります。
(Nobuhikoをnobiだったかな?)
http://www.albright.edu/alumni/alumniofnote/n-ochiai65.htmlそれもやっぱり俗語の意味を避けたかったのでしょうか?
ちなみにnobbyは、上の3の意味から派生し、
「かっこいい、小粋だ(stylish)」という
肯定的な意味で使うようです。
(でもちょっと恥ずかしい?)
いい名前をつけるのは難しいですね。
特に世界が狭くなり、国際的になった現在は。
たまごクラブ ベネッセコーポレーション 2019年11月
3630項目のキーワードを収録。
日本語の単語とそれに対応する
8か国語(英語・フランス語・ドイツ語・
イタリア語・スペイン語・ラテン語・
ギリシャ語・ロシア語)を併記しています。
学研教育出版 学研教育出版 2012年12月18日
〇追記 2023年1月29日
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今、日本でノブと言えば、お笑いコンビ・千鳥の
ツッコミ担当の「ノブ」さんですね。