被告は懲役20年を言い渡されました。
その判決を報じる新聞記事、ネット情報を様々読んで、
驚いたことが幾つかありました。
2009年5月15日、産経新聞。
《【幼児3人死亡事故控訴審】顔見合わせ、うなずき合う両親》
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090515/trl0905151058003-n1.htm
この記事中に、
《2年9カ月近くが過ぎた今も、哲央さんは後遺症の頭痛に悩む。
かおりさんも、当時刺さったガラスや貝殻の破片が、
痛みとともに体から出てくるという。》
被害者が、精神も身体的にも傷ついているという事実。
さらに、
《事故後、海外で暮らさざるをえなくなった夫妻》。
お二人そして、新たに生まれたお子さん
(名前は報道によれば、愛子さんとか)と、
地元福岡で生活されているとばかり思っていたのに…。
なぜ海外で?
記事の「暮らさざるをなくなった」とあるように、
各種の報道によれば、地元やインターネットで、
被害者である二人に対し、様々な中傷があり、
それが余りにもひどく、場所を変えることを余儀なくされたとのこと。
2009年5月16日、西日本新聞。
《3児死亡事故 高裁判決 「飲酒運転撲滅へ力」 大上夫妻ら各地の遺族 抱き合い万感》
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/6536/
《いわれのない中傷にさらされたこともあった。
穏やかに生活する場所を奪われ、今は福岡の地を離れて暮らす。》
いわれのない中傷とは、
被害者(大上さん)側にも過失(居眠り、飲酒)があったのでは、
また事故後に生まれたお子さんの出産を公開し、報道させたことについて
のようです。
地元で暮らせなくなり、海外の地で生活するお二人。
体も精神も病んでいるお二人が、どのようにして生計を
立てられているのか、心配です。
補償をもらっても亡くなった3人が帰ってくる訳ではありませんが、
生き残り、あらたに授かったお子さんを育てるには、お金が必要です。
オールアバウト、2008年8月11日、
《飲酒運転でも保険は使える?》
http://allabout.co.jp/contents/aam_sp_c/carinsurance/CU20080811A/index/
《相手方に対する賠償については、対人・対物賠償保険ともに、
たとえ飲酒運転による事故であっても、基本的に補償を受けることができます。
もちろん被害者保護をその趣旨とする自賠責保険についても同様です。》
たとえ今回のように飲酒による事故でも、
補償は受けられたと思うのですが…。
福岡地裁の判決文。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080208100442.pdf
読売新聞、2009年5月16日。
《3児死亡飲酒追突事故 控訴審判決要旨》
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/20080404-1867348/2009/20090516.htm
被害者の大上さんが居眠りというのは、弁護側の主張だったんですね。
《弁護側は、大上哲央さんがミラー等で車の接近に気付くことができたのに、
事故直前に光に気付いたと述べているのは不合理だと主張。
居眠り運転で後方の光に気付き、対向車と勘違いして急ブレーキをかけたとする。》
今林被告ですが、事故当初の報道や、
個人的に又聞きした(友人の肉親が福岡在住で、
裁判も傍聴している由)範囲では、
かなり評判のいい青年だったそう。
今回の事故での行動が信じられないとも。
弁護側は、控訴審の判決は感情的として、
上訴するようです。
最高裁はどんな判断を下すのでしょうか?
追記
2009年5月15日、毎日新聞。
《福岡・車転落3児死亡:高裁判決 両親訴え、司法に届いた 厳罰に万感の涙》
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20090515ddg041040002000c.html
被害者代理人の弁護士の発言。
《「被告は夫婦に責任転嫁せず、民事上の賠償問題も速やかに解決し、誠意を示して」》
賠償はまだ行なわれていないようですね。
また《被告をよく知る男性》の発言によれば、被告は
《「漁師の仕事もしているようだが、ほとんど顔を見ない。》とのこと。