SSブログ

連続テレビ小説「らんまん」。主人公のモデル牧野富太郎の二人の妻はどう描く。

2023年4月3日からNHK連続テレビ小説「らんまん」が始まりました。
前作はほとんど見ていなかったのですが、
この作品は、ちょっとゆかりのある牧野富太郎氏が
モデルなので、朝8時からの放送を見ました。

なかなかの滑り出しでした。

このドラマを見てふと思ったこと。

この連続テレビ小説は、
コンセプトとして、女性の一代記を
描くスタイルではなかったかと。

しかし2020年前期の「エール」は、
古関裕而と妻・金子をモデルに描いている。

日清食品の創業者とその妻をモデルにした「まんぷく」。
これも形では一応、その妻が主人公。

ニッカウヰスキーの創業者夫婦をモデルにした「マッサン」。

「女性一代記」という縛りは、なくなっているのでしょうね。

調べてみると、男性(妻も含む夫妻も含む)が主人公の作品は、
「らんまん」「エール」以外に、
「娘と私」(1961年度・第1作)「あかつき」(1963年度)
「たまゆら」(1965年度)、「旅路」(1967年度)
「ロマンス」(1984年度前期)「心はいつもラムネ色」(1984年度後期)
「いちばん太鼓」(1985年度後期)「凜凜と」(1990年度前期)
「走らんか!」(1995年度後期)「マッサン」(2014年度後期)。

自分が思っていた以上に多いなー。

そしてタイトル。
この連続テレビ小説では、
「ん」のつくタイトルが多いとされています。

それは、「ん」のつくタイトルのシリーズが、
高い視聴率をとったから。

「運がつく」などの意味合いもこめて、
「ん」のつくタイトルをつけていると言われています。

故橋田壽賀子さん脚本の「おしん」は、
歴代の最高視聴率をとっています。
6作目の社会現象レベルのブームになったのが、
1966年の『おはなはん』。

近年だと、2022年後期の「ちむどんどん」
2021年後期の「おちょやん」
2018年前期の「まんぷく」
(この辺りだと視聴率の関係は怪しいが)

今作は「らんまん」で「ん」が二つも入っているので、
高い視聴率をとるかも。

(落語の「ん廻し」や薬の名前「丸(がん)」じゃないんだから)

ビデオリサーチ
《NHK朝の連続テレビ小説【関東地区】》
(なお上のタイトルには「朝の」とついていますが、
現在、NHKでは、「朝の」とはうたっていません。
今でも略して「朝ドラ」と呼ばれることがありますが)
https://www.videor.co.jp/tvrating/past_tvrating/drama/02/nhk.html

《NHK連続テレビ小説と視聴者》
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/domestic/pdf/20200130_3.pdf

もう一つ気になるのは、牧野富太郎博士を
支えた二人の妻をどう描くのかということ。

牧野博士は高知の出身ですが、地元で結婚。
さらに上京した後にも彼を支えた「妻」がいるんですね。

斎藤美奈子さんの、
《【第153回】
牧野富太郎を支えた「二人の妻」をめぐって》
https://www.webchikuma.jp/articles/-/3027

練馬わがまち資料館
牧野博士と寿衛子夫人
https://www.nerima-archives.jp/column/1033/

朝井まかてさんの「バタニカ」は、
自伝などでは隠されていた最初の
高知の妻の話が出てきます。

文春オンライン、朝井まかてさんの「ボタニカ」の
家人・作家の加藤 千恵さんによる書評。

《家業を継ぐように言われていたが、幼い頃から植物観察に没頭し、
家業は祖母と妻におしつけた状態で東京へ。そこで若い妾と暮らし、
植物採集を続け、財産をとんでもない勢いで食いつぶしていく。
莫大な借金なんて、まるで気にも留めていない。結局その妾であった
スエと籍を入れ、多くの子どもをもうけるも、家庭は顧みず、
やはりひたすらに植物を追い求め、各地を飛び回る。》
https://bunshun.jp/articles/-/52279


ボタニカ


これまでも連続テレビ小説で、不倫、ヒロインの男性関係、
登場人物の女性問題を扱ったシリーズはあるにはありましたが。

2011年後期の「カーネーション」では、
朝ドラ史上初めての不倫を描いたとして話題になりました。

艶福家として知られた日清食品の「まんぷく」では、
その辺りの描写はあったかなー。
(安藤仁子さんは、三人目の妻。子どもももうけた
最初の妻は台湾に。さらに二人目の妻と日本に……)

今回も牧野富太郎博士は、モデルで、
ドラマ上の主人公は「万太郎」となっているので、
その辺りは、うまく避けるのかなー。

番組HPには、
《※実在の人物である牧野富太郎(1862―1957)をモデルとしますが、
激動の時代の渦中で、ただひたすらに愛する草花と向き合い続けた、
ある植物学者の波乱万丈の物語として大胆に再構成します。
登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描きます。
原作はありません。》
https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/blog/bl/pkLm3a5nL6/bp/pYN6yaxrjY/

なるほど。これならNHK的に
都合のよいストーリーが描けますね。

らんまん
https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/

〇主人公の母親役槙野ヒサを演じていた広末涼子さん。
 さすが高知県出身で、ネーティブな土佐弁。


NHK連続テレビ小説 らんまん 上



連続テレビ小説 らんまん Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド)


追記 2023年4月4日
〇2023年4月3日の読売新聞夕刊 
 「本 よみうり堂 トレンド館」
 《朝ドラモデル 牧野富太郎 紹介本続々》
 上でも紹介している朝井まかてさんの本。
 ベランダーで植物好きで知られるいとうせいこうさん。
 牧野の大ファンだそう。
 記事には、お二人の牧野の評価コメントが掲載されています。
 いとうさんは、

われらの牧野富太郎!

 という本を監修されています。
 野山でフィールドワークをした記録、
 交流した人たちへのインタビュー
 蔵書を紹介するコーナーも。

〇練馬にある牧野記念庭園
 牧野富太郎氏の書斎再現展示。一般公開
 牧野記念庭園 
https://www.makinoteien.jp/

〇牧野博士を支え続けたすゑ夫人の本が出版。

牧野富太郎と寿衛 その言葉と人生


追記 2023年4月26日
〇ドラマでは、「姉(実は従兄弟)」と結婚するように、
 祖母から告げられるという展開になっています。
 実際の牧野博士は、縁戚関係にあった
 「猶」という女性と結婚。
 祖母の死後、博士は東京で「寿衛」と暮らします。
 猶は実家「岸屋」の番頭・井上和之助と結婚。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。