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長崎県島原地方の「イギリス」と、愛媛県今治市の「いぎす豆腐」。島原の乱。 [グルメ]

長崎県島原地方の「イギリス」
という名の食べ物。

地元の方以外はあまり知らないのではないでしょうか?

2014年9月30日、日本経済新聞の夕刊、
《らいふプラス》に取り上げられていました。

見出しは、《島原のイギリス、英国とは無縁》
《海の産物に今治を懐古》

島原地方の「イギリス」とは、
《寒天の原料であるテングサに
似た海藻を使って作るかまぼこ状の食べ物だ》。

その海藻の名前はイギス藻。

記事では、中に白身魚と人参が入っていて、
しょうゆで食べたとあります。

また民宿で作ってもらったイギリスには、
キクラゲ、シイタケ、ニンジン、厚揚げ、アジの魚が
具材として入っていたようです。

島原ではこのイギス藻は、毎年5,6月にとれると。

イギリスのルーツとしてあげられているのが、
愛媛県今治地方の「いぎす豆腐」。

こちらは、
《イギス藻を原料に使い、
生大豆粉を混ぜ、小エビなどを
入れて煮固めて作る》と。

なぜ、島原に今治の郷土料理が伝えられたのか?

記事の概略をまとめると、江戸時代、島原の乱で
島原の人口が激減。復興対策として、幕府が、
四国の各藩から強制的に農民を移住。
その農民は免税特権を与えられ公儀百姓と
呼ばれていたが、その移民が持ち込んだ食べ物の一つが、
「いぎす豆腐」であり、小豆島由来の「そうめん」だったとか。

今治の「いぎす豆腐」は今治の友人の家で食べたことがあります。
各家庭によりいろいろな味、具があるのですが、
具なしのシンプルなものもあります。

醤油だけでなく、辛子酢味噌をつけて食べることも。

個人的な思い出としては、
このいぎす豆腐は夏の食べ物。

けれど今治の人によれば、秋祭り、法事など
親戚、近所の人々が集まる際にも
作って食べるようです。

なお今治市内のスーパーを以前、覗いたことがありますが、
鶏の唐揚の「せんざんき」、そしてこの「いぎす豆腐」が
売られていました。

今治の本土でなく、しまなみ海道沿いの島々でも
同じような「いぎす豆腐」が。
その中には、大豆粉を使わず米のとぎ汁を使う場合も。
(いぎすこんにゃく?)

また以前、小豆島に行った折にも、この「いぎす豆腐」を
食べたことがあります。香川県にも同じ料理があるようです。

なお記事によれば、島原のイギリスは、大豆粉を使わないので、
豆腐が消え、「イギリス」という呼び名に変わって行ったのでは
と。

島原の乱によって、連れていかれた農民が
故郷をしのんで、馴染み深い料理を作るというのは、
たいへん興味深い話です。

今治から島原に渡った人たちが、島原の海で、
故郷と同じイギス藻を見つけた時、
きっと遠い故郷のことを思い出し、
喜んだのではないでしょうか。

遠い時代の遠い出来事ですが、
故郷を思う強い気持ちが伝わり、
わがことのように思われました。

今治おもしろ百科
《いぎす豆腐って何からできてるの?》
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/doinaka/iq/iq-h/i070.html

《今治郷土料理普及協議会》
《いぎす豆腐》
http://www.imabari-cooking.jp/recipe/r002.html

農林水産省、《いぎす豆腐…愛媛県》
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/cuisine/cuisine6_2.html

《高校生による「いぎす豆腐」の
ルーツ探索の調査 ・ 研究》
http://www.fukutake.or.jp/science/assist/report/10/pdf/22sa15_minakawa.pdf

〇博多の「おきゅう」と佐渡島の「いごねり」。


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