イタリア当局が、犯罪組織構成員を300人余り摘発。ボス中のボスも逮捕。

以前にもこの犯罪組織「ンドランゲタ」については、書きました。

この所、イタリア国内では、一番勢力が強い、
最大最強の組織と言われています。

イタリア国内にとどまらず、記事にあるようにオーストリアを始めとする
ヨーロッパ、さらにアメリカ、南米にもその力を及ぼしているとされています。

日本の暴力団が、企業舎弟、フロント企業など、
合法的なビジネスを前面に押し出して活動しているように、
このンドランゲタも、食品業界、飲食業、建設業などに進出。
さらに金を稼ぎ、マネーロンダリングも行い、力を蓄えているようです。

発祥の地は、イタリア半島のつまさきのカラブリア州という
イタリアの中でも貧しい州。

貧しさから抜け出すための共同扶助組織という側面があり、
それはシチリアのマフィアと同じです。

記事には、この名前がギリシア語の「勇気」「忠誠心」に由来と
ありますが、カラブリア、その隣のバジリカータ一帯の名称である
Andragathia Regioからとの説もあります。

《’ndrangheta ‹’ndràn·ghe·ta› s.f.
~ La mafia calabrese.
ETIMO Prob. dal gr. andragathía ‘fortezza d’animo,
rettitudine’. Meno nobilitante la proposta di F. Mosino:
da ’ndranghiti connesso a ’ndràngalu e ’ndranali,
i ‘balordi’ cioè i ‘malavitosi’ (contrapposti ai ‘furbi’, i ‘poliziotti’)
DATA 1968.》
（il DEVOTO-OLI 2009）

《PER LA STORIA DELLA　'NDRÀNGHITA》
http://www.lumsa.it/LUMSA/Portals/docenti/Martino/%20Per%20la%20storia.pdf

2003年に日本公開された映画「僕は怖くない」は、
1978年の金持ちの少年の誘拐事件を扱った作品。

舞台は、バジリカータ州とプーリア州の州境の町メルフィ郊外。
公式サイト
http://www.albatros-film.com/movie/bokukowa/index.html

《ぼくは怖くない [DVD]》（アマゾン）

http://www.albatros-film.com/title.phtml?titleid=137

丁度、この時期、ンドランゲラータは、身代金目的の誘拐を起こし、
組織を大きくしていきました。
（この時代は、「赤い旅団」をはじめとする極左組織も誘拐を行っていました）
イタリア、テロ概要
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4_t.asp?id=153

そこからさらにドラッグに手を出し、大きな組織になっていったようです。
今では上にあげたような国際化し、合法化ビジネスの世界にまで進出。

イタリア当局は、以前からこの組織をはじめ、
他のマフィアの壊滅に力をいれていましたが、
今回も本気のようです。

一番の成果は、[Capo dei Capi]と呼ばれた
ドメニコ・オペディサーノDomenico Oppedisanoの
逮捕を成功させたこと、

この逮捕をイタリアの各紙は、トップで大きく報じていました。

ドメニコ容疑者は、カラブリア州のロサルノROSARNOにある自宅を、
早朝、当局に急襲され、抵抗する暇もなく身柄を確保されたとのことです。

こうした摘発の成功の背景には、イタリアの当局が
盗聴捜査を広く認めていることがあげられると思います。

長期間にわたる盗聴捜査で組織の全貌や
個々の幹部の動きを把握。
今回の一斉摘発の成功につながりました。

日本でも大相撲の野球賭博は、
暴力団の壊滅作戦から
飛び火したもののよう。

イタリアの捜査の進展とともに、
日本の当局の暴力団壊滅作戦がどこまで及ぶのか、
また盗聴、おとり捜査が日本でも国民的な議論となり、
認められていくのか、興味深いところです。


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《映画「甘い生活」のヴェネト通りのあのカフェが犯罪組織に
買収される。スペイン広場のレストランも。》

《「俺たちの秘密を明かした者には死を」。映画「ゴモラ」の原作者に犯罪組織が暗殺指令。》

追記
2010年7月9日、サイゾー。
《世界最強裏組織“イタリア・マフィア”崩壊の序章!?　裏切りが横行し、大物逮捕が続出》
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100709-00000301-cyzoz-soci