銀座の筆談ホステスの本がベストセラーに。「歩」という字は、少し止るなのか? 「儲」という漢字の意味・成り立ちは?
銀座の耳の聞こえないホステスさんが書いた本が売れているそうです。
《筆談ホステス
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筆談ホステスである斉藤里恵さんのことを、
ご存じの方も多いかもしれません。
2009年6月22日、産経新聞。
《筆談ホステス、本も売れっ子》
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090622/bks0906220838000-n1.htm
まだ本を読んでいないのですが、記事で気になったことが二つ。
一つは、
《筆談で会話をする彼女は言葉をとても大切にする。不況を嘆く人には
「歩くという字は『少』し『止』まると書く。着実に前に進んでいます」と励ます。》
前向きに生きる姿勢ってことでしょうが、
こういう漢字を分解して人生訓みたいなことを作るのって、
関西で多いような気が。
大阪にずっと在住していた祖母によく聞かされました。
例えば、「働く」。
これは、「はた(周囲)が楽になるから、働く」。
あ、漢字の分解ではありませんでしたね。
では、「儲け」。
これは、「信者」と分解。
その意味は、「自分の信者を増やせば儲かる」と。
同じ話を作家の藤本義一さんがエッセイで書いておられました。
「浪華俗世の知恵」
《ソワニエ看護専門学校一般二次入試 国語問題》
http://www.soigner-nc.jp/2009/kokugo2.pdf
藤本さんの場合は、さらに儲けるを三分割。
自分(イ)と他人(者)の間に言(葉)を挟むのが儲けるだと。
以上は俗説ですので、本来の漢字の成り立ちだと信じないように。
こちらに、「儲」という字の成り立ちが書かれています。
《漢字の成り立ちと教えるということ》
http://www.commakagi.ne.jp/tosyokan/kokugo/kanji/151003-kigen.htm
さて、歩という字ですが、止は、足跡の形。
左足と右足の足跡を組み合わせた形だそう。
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本来の意味、成り立ちと違うと知っていた上で、
使うのはまあいいと思いますが、それが正しいと
思い込まないことが大切ですね。
あ、もう一つ記事の中で気になったこと、
それは、写真の中に映っていた筆談の際のメモ用紙。
おそらく色からROHDIAですね。
それにカバーをつけている。
さすが銀座だなーって感じですね。
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メモにかけるカバー。
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これなら切り離して、お客さんに言葉をあげるのにも便利ですし。
筆談。
まどろっこしいようだけど、じっくり言葉を選んで
コミュニケーションをとるので、言葉の大切さ、
さらに耳の聞こえること、話せることのありがたさを
思い知るのに、いいかもしれませんね。
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