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「ジーンズをはいた女性をセクハラできるか?」、イタリアのジーンズとセクハラ、レイプを巡る裁判。 [イタリア]

何年か前、イタリア中を騒がせた判決が出たことを
覚えていらっしゃるでしょうか?

1999年のイタリア最高裁の判決です。

ぴったりしたジーンズをはいた女性に
性的暴行を加えた男性に、無罪判決を下したもの。
理由は、女性の合意がなければ性的暴行は、
不可能だからというものでした。

この事件と同じくジーンズが問題となった
事件の判決が、この7月、イタリアで出たようです。

産経新聞、9月14日、《イタリア便り》で、坂本先生が、
《貞操帯にあらず》とのタイトルで紹介されています。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080914/trd0809140250002-n1.htm

ジーンズをはいた少女にセクハラ行為をしたとして、
1、2審ともに1年の禁固刑を 言い渡された男性の上告を退け、
1、2審の判決を支持したのである。
その理由は「ジーンズは貞操帯の一種ではない。
男性がその気になれば手を入れて下着の中まで
触れることも可能である」というのだ。》

坂本先生は、

《どちらの判決を支持するかは読者諸氏の判断に任せると》
お書きになっていますが、一方で、《9年前の判事殿には、
若いころジーンズをはいた女性と付き合った経験がない人が
多かったに違いない。》とも書かれています。

9年前の判決は、ジーンズを貞操帯とし、
今年7月の判決は、貞操帯の一種ではないと否定。
違う判断を下したようですが、
両者の判決は矛盾していないようにも思えます。

ジーンズは女性の合意がなければ脱げず、
それゆえ性的暴行は出来ないが、
セクシャルハラスメントは、脱がさなくても出来、
それには女性の合意がなくても可能とも。

日本の最高裁の判事に、女性が最近、就任されましたが、
イタリアの最高裁(9人の判事)に、女性はゼロ。

毎日新聞、2008年9月5日
最高裁:横尾判事の後任に桜井氏
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080905dde007010072000c.html

それもこうした判決に影響を与えている気がします。

イタリア最高裁が下した判決。

ロイター
《イタリア最高裁、相手に内証で性行為録画した男に無罪判決

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-29780620080116

《イタリアの最高裁判所が、相手に内証で性行為をビデオ録画
することは違法でないとの判決を下した。》


この事件は、相手の女性が撮影自体は承諾。録画は知らず。
録画した映像は、第三者に配布していない。
交際終了後、男性は女性に複数のビデオテープを渡した。

うーん。

2008年6月18日、
《イタリア最高裁、警察軍メンバーの不倫禁じる判決》

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-32315820080618

《警察軍(カラビニエリ)に対し、組織の名誉を守るため
メンバーに不倫を禁じるとの判決を下した。》

坂本先生のコラム。
2008年8月10日。
《【外信コラム】イタリア便り 不倫の場所の心得》
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/168440/

年下男性と不倫した元妻が夫から贈られた財産を元夫に
取り返されたため、返還を求めた事件。

不倫が行われた場所が判決の決め手となったようです。

こうして見てくると、イタリアの最高裁の判決の傾向が見えてくるようです。
あ、ピックアップの仕方が恣意的という批判はあるかもしれませんが…。

判決はともかく、世界には日本では理解できない法律があるよう。
《2階でブタは飼うな!〈日本と世界のおかしな法律〉 (講談社文庫)》

《世界のとんでも法律集 (中公新書ラクレ 259)》

世界では不倫はどのように扱われているんでしょうか?
アメリカから南米に赴任した特派員のパメラ。
妻ある男性からくどかれ、南米を振り出しに、
世界の不倫文化をレポート。
日本ももちろん出てきます。
世界で最も不倫が盛んなのはどの国なのか? 

《不倫の惑星》(アマゾン)

2020年4月11日、追記 このエントリーにアクセスが集中しているので、 調べた所、イタリアの高等裁判所で出た判決が 理由のよう。 2015年にイタリアのアンコーナで発生した婦女暴行事件。 その裁判で、被害者の女性の容姿が理由で加害者の男2人が、 無罪放免に。 2年以上前に判決は出ていたのですが、 今回大きな話題になっているのは、 つい先日、イタリアの最高裁判所が、この判決を却下、 そして再審を命じたため。 それにより、上のような下級審の判決と 加害者側の主張が、わかったものです。
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