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久しぶりに聞いたセーム革。「キョン」のものが最高。八丈島。40歳になったこまわり君。 [グッズ]

昔、昔、もちろんフィルムカメラが主流だった頃、
写真小僧だったあたしは、セーム革を使って、
毎夜のようにカメラやレンズ(鏡筒部分)を磨いていました。

それから幾星霜。

久しぶりに「セーム革」という言葉を見ました。

1月28日、朝日新聞夕刊、《至福の一品》は、《セーム革》

《エコロジー大国ドイツで、万能クロスと言えばセーム革(鹿革製)。》と
紹介しています。

冒頭にあげた、カメラ製品だけでなく、
《ガラス窓、木製のアンティーク家具、時計・貴金属》なども、
ふいたり磨いたり出来ます。

そういえば、眼鏡を買うと、セーム革を眼鏡ケースに入れてくれてたよなー。
(今は、トレシーなどの超極細繊維のクロスですけど)

《お湯とせっけんで洗えば、何度でも繰り返し使えるので、経済的》。

そうか、でも自分が使っていたのは、安物だったせいか、
毛羽だって、ふくと屑がつくようになって、
長くは使えなかったなー。

そんな安物とは違って、《最高級品とされるのはキョンのもの。》

ほほう。
これで反応した貴方は、漫画「がきデカ」の読者だったでしょ?

「八丈島のキョン」ですよ。こまわり君のギャグ。
(こまわり君、40歳なんですってね)

東京都のサイトで、見られますよ。動画と画像が。
《八丈島のきょーん》
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/09hatijou/c/c-kyon.html

この「キョン」は、鹿の仲間で、中国・東南アジアに自然分布。
日本にもいますが、これは、外から連れてこられたもの(外来種)。

なんと千葉県の勝浦市にあった「行川アイランド」から逃げ出した
キョンが大繁殖して問題になっているとか。
2008年1月14日、スポニチ、
《施設から脱走…房総半島でキョン増殖
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/01/14/01.html
2007年12月25日、東京新聞、
《<続 身近なエイリアン>鈴木欣司 キョン 房総半島大にぎわい》
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2007122502074929.html

千葉県の県立博物館のサイト内、《キョン》
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/mammal/chibamammal/muntjac.html
そこで、千葉県では、それを駆除しようとしています。
《千葉県イノシシ・キョン管理基本対策方針》
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/mammal/chibamammal/invaders.html

このキョンから作るセーム革は、きめが細かく、柔らかく、
毛羽立ちもしないのだとか。

記事では奈良県の鹿革メーカーの
春日の「キョンセーム」を取り上げています。

このキョンセームは、上記の特質の他に、
《余分な油分は取り去り、油分が必要なものには潤いを与える》んだそう。

《隠れた使い道は、脂取り紙代わりのハンカチ。》

さらに進んで、洗顔の時の使うと、毛穴の汚れもとれ、
肌に優しい洗い上がりなのだと美容通の友達に聞きました。

これは、上にあげたトレシーの裏技的使い方と同じ。
東レはそのような使い方をしていることを知り、
洗顔用のトレシーを発売しましたね。

トレシー洗顔クロス Lサイズ
手袋タイプのものは、細かい所や、壊れやすいものを磨くときに便利そう。
【mart】 東レ トレシーMFグラブ Lサイズ

「キョンセーム」を楽天で調べると、
楽器関係のお店、車関係のショップで扱っていますね。
楽器磨いたり、車は、カーナビの液晶画面の
脂汚れをとったり、洗車に使うんだとか。

こっちは、楽器。
春日 キョンセーム本革クロス※メール便対応商品
こちらは、車。
春日 キョンセーム一枚物・約15デシ(約225平方cm)

ところで、この春日は、奈良県の鹿革メーカーですが、
皆さん、よくご存じのように、奈良と言えば、鹿。
で、やはり、奈良県は、鹿革の生産が日本一なんだとか。

そういえば、昔、修学旅行で奈良を訪れた時に、
鹿革の財布はお小遣いで買えず、
鹿革のキーホルダーだかなんかを買った覚えが…。

中でも生産が盛んなのは、奈良県宇陀市兎田野。
(もちろん春日もこちらにあります)
こちらで日本の鹿革のおよそ95%が製造されているとか。
http://www.utabi.jp/utano.html

菟田野で作られる「菟田野キョンセーム革」をエステで使用。
《UTABIエステシリーズ》というそうな。
http://www.utabi.jp/cosme.html

舞妓さんは、昔から使っていたんですねー。
こちらは、ミトンタイプになっています。
昔から舞妓さんの美容グッズ最高級鹿革「キョンセーム ミトン」0115新春》 
こちらは、フェイスマスク。
昔から舞妓さんの美容グッズ【送料込み】最高級鹿革
「キョンセーム フェイスマスク」 0115新春
》 


菟田野鞄というのも、良さそうですね。
http://www.utabi.jp/utano_bag.html

ところで、鹿革の加工品といえば、漆を塗って細工した、
「印伝」が知られていますね。
一般には、インドから製法が伝わったので、印伝と呼ばれているそうです。

印伝では、甲州印伝がよく知られて言います。
けれど、もともとは、奈良県が日本の印伝の故郷なんだとか。
http://www.kasuga-fur.jp/inden.htm
(甲州の印傳屋のサイトでは、《現在の老舗「印傳屋」の遠祖にあたる上原勇七が、
鹿革に漆で柄をつける独特の手法を創案。》とあります)
http://www.iijnet.or.jp/NOH-KYOGEN/kensyo/inden/dentowaza.html#rekishi

春日も印伝を作っています。
この印伝でも材料としては、キョンの革の表面、
吟面(ぎんめん)の部分を使うのが本式なんだとか。

その印伝とやまぶどうの蔓で作った「かご」。
日本が世界に誇る自然素材のバッグ。日本よりヨーロッパで受けそうだなー。
値段は、ちょっと驚きです。けどエルメスにも技術では負けていないと思います。
【送料・代引手数料無料】革職人×かごやのコラボレーション
印伝と国産蔓やまぶどうのバッグ(...

春、財布もいいなー。(こちらは、春日の製品ではありません)
【送料無料】☆福袋対象商品☆最高級【古都印伝】長サイフ(つぶぼたん)■新品

株式会社春日
http://www.kasuga-fur.jp/index.php
菟田野の毛皮・レザー商業組合の
サイト内にある春日のページ。
http://www.h5.dion.ne.jp/~leather/kasuga/
春日で使われるキョンは、中国のもののよう。
中国に工場があります。

小学校、中学、そして高校と剣道をやっていたのですが、
剣道の防具に使われている革は、確か鹿革でしたねー。

また愛媛県にある「国宝の島」と呼ばれる
大三島の、大山祇(おおやまずみ)神社に行った時のこと。
そこの宝物館には、源義経をはじめとする
多くの貴重な武将の鎧が奉納されています。
http://www.ehime-iinet.or.jp/oomisima/miru/oo_houmotsu.html
その鎧に使われている革は、鹿だと聞きました。

春日のサイトには、《キョンの歴史》という項目があり、
卑弥呼の時代からのキョンと日本との関わりが詳述されています。

ちなみに、卑弥呼は、魏の国から金印だけでなく、
キョンの皮を贈られているそうです。
また鹿信仰の鹿も、キョンなんだとか。

やはり、この鹿革、キョンは意外にもといっては無知をさらすようですが、
日本の歴史に深く関わっているものなんですねー。

サイトでは、かつての粗悪なセーム皮のことも書かれています。
あー。
昔、カメラを磨くのに使っていて、すぐに毛羽だってしまったセーム皮は、
そうした粗悪品だったのかもしれませんね。


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nikitoki

2019年12月24日、NHKの朝のニュースで千葉県内で「きょん」が4万頭も大量発生し、被害が出ているとの内容が放送されました。わなにつかまったきょんの鳴き声が可哀想でしたが、いろいろと被害にあっている所は、それどころではないでしょうね。
フライデーデジタル、《「きょん」が4万頭の大量発生 千葉県内をシカ科の外来生物が徘徊 台風・大雨・停電に悩まされた県民に訪れる新たな問題。狩猟、試食、革工芸で有効活用も 2019年12月22日》
https://friday.kodansha.co.jp/article/84927
by nikitoki (2019-12-24 14:47) 

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