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暴動でセリエAの試合中止。カターニアのサンタ・アガタ祭。美味、ブラッド・オレンジ [イタリア]

シチリア島のカターニアで2日夜に行われたセリエAの
カターニア対パレルモ戦で、パレルモのサポーターが暴動。
警官1人が死亡し、負傷者も100人以上の大騒動となり、
この土日のセリエA(セリエBも)の全試合とアズーリの
国際親善試合も見合わせることになりました。

森本所属カターニア戦で暴動…警官死亡、100人けが
サッカーに詳しい方なら、
「なんで2日金曜日に試合が開かれたのだろう?」と
疑問に思うかもしれません。通常、セリエAの試合は、
土日に行われるからです。(月水金は例外)
読売のネットの記事には書いてありませんが、
2月3日読売新聞夕刊には、その理由が書いてあります。

《10万人の人手を見込むシチリア島の名物行事であるサンタ・
アガタ(守護聖女)祭を今週末に控えていたため、
4日の日曜日に予定されていたこの試合は、警備の人員を
確保するため日程を2日間、早めて行われていた。》のです。

カターニアで開かれるサンタ・アガタ祭は、イタリアでも
有数の規模のお祭り。カターニアの街は祭り一色に染まります。
(残念ながらこの時期、訪れたことはありませんが…)
祭り自体は1カ月くらいずっと続いており、2月5日を
クライマックスに多いに盛り上がるのです。
その日にあわせ、シチリアはもとより、イタリア全土から
サンタ・アガタの遺徳を偲ぼうと大勢の見物客がやってくるのです。

日本では余りなじみのない守護聖女とか守護聖人。
ましてサンタ・アガタをご存じの方は少ないでしょう。
イタリアの町は町ごとにその町を護る聖人(女)がいます。
例えばヴェネツィアならサン・マルコというように。

カターニアの守護聖女はサン・アガタ。
彼女は3世紀頃、カターニアの貴族の家に生れました。
キリスト教徒として清らかに生きたいとして、
ローマ総督のプロポーズを断りました。
そこから彼女の悲劇が始まります。

溶岩でできた牢に入れられ、拷問にあいます。
それに耐えて足を踏みしめてできた足跡が、床に
窪みとなったほど、激しいものでした。
貞潔を貫いたアガタですが、ついに乳房を切られてしまうのです。
薬で治癒することを潔しとせず、一心に神に祈り続けました。
そうすると聖ペトロが現れ、奇跡が起こり、傷が癒えたのです。

そこで総督は、彼女を恐れ、蒸し焼きにして殺そうとします。
彼女は焼き殺され、殉教したのです。

現在、その足跡の残った床や、蒸し殺そうとした時に
使った釜は残っており、見学できます。
それがカターニアの中心にある
Santa Agata al carcere教会です。(carcereとは牢獄の意味)
乳房が癒えたところから、乳房に病を持つ女性が数多く
やってくることでも知られます。

皆さんは、ナポリ民謡の「サンタ・ルチア」という歌を
ご存じだと思います。その曲は聖女ルチアをたたえた歌。

彼女は、カターニアのサンタ・アガタの信奉者でした。
母の病気が治ることを願い、アガタの墓を訪れ、祈ったのです。
そこでルチアは、アガタから、自分にも奇跡を起こす力を
持っていることを告げられます。そのお告げ通り、母の病気は快癒しました。
以後、サンタ・ルチアは、神とともに生きることを選択し、
迫害をうけながらも信仰と救いの道をきわめ、聖女となるのです。
(ルチアは光に由来した名前。また目をくり抜かれた所から、
目の不自由な人や眼病の人の守護聖女とされています)

カターニアは、今も噴火し、溶岩を吹き出す
活火山のエトナ山の麓にあります。
アガタが亡くなった時に地震が起こり、エトナ山は噴火。
しかしのヴェールが、町に迫る溶岩を防いだと伝えられています。
そこから、彼女は、町の守護聖女であり、火災予防の守護聖女なのです。

大規模な溶岩噴火が起こると、カターニアの大司教は、
ヴェールを溶岩の先端にかざし、神の奇跡を祈るのです。

なお先程の教会の足跡や牢屋は、見学できますが、
聖なる場所でもあるため、写真撮影は禁じられています。
地元の信者にとって、非常に大切な場所。
見学に行かれる方はご注意を。

《エトナ火山のお嫁さん(日記編)》の
カターニアを護る聖アガタ 前編
カターニアを護る聖アガタ 後編
VIVA S.AGATA(聖アガタ万歳!)
聖パウロ女子修道会の《聖アガタ》の解説。

シチリアには、色々なお菓子がありますが、
カターニアには、「聖アガタの乳房」をかたどった
Cassataがあります。

形は乳房そのもの。白くて上に乳首代わりの
赤い砂糖漬けのチェリーが乗っています。
美味しいのですが、余りに生々しい
と思うのはあたしだけでしょうか?

ちなみに台湾にも「満月圓」という、
子どもが満1歳になった時に食べる
乳房をかたどったお菓子があります(した)。
台湾週報 2179号 2005.2.24
老舗の伝統菓子博物館 人生の節目彩る菓子を展示

エトナ山は大きな災害をもらたすと同時に、
多くの恵みを人々に与えてくれます。
その一つが、タロッコオレンジ。
その赤い色からブラッドオレンジと呼ばれています。
日本にも生のジュースが輸入されるようになりましたね。
冷凍でなく、生は格別。3月4月がシーズンです。

運動会の無いイタリアの青ミカンと、国産のブラッドオレンジ
 でも書きましたが、日本にも数少ないながら、ブラッドオレンジを
栽培し販売しているところがあります。

ブログ《H.I.Sイタリア特派員記事》の
シチリアの赤いオレンジ》には、

《このエトナ火山の溶岩や灰で埋め尽くされた土壌が
いろんな果実にとってミネラル豊富な畑となり、
さらにこの地の気温差の激しさなどが
タロッコオレンジを赤くしとても甘くするのです。》
《ですから同じタロッコオレンジ種を、
例えばシラクーサのような溶岩地質で無い場所で
同じように栽培しても全く赤くならないのです。》とありますが、
日本のものも赤く、結構いけます。

色的にはミモザにならないけれど、
ブラッドオレンジとスプマンテのカクテルなんかいいなー。

エトナ山近くのアグリツーリズモでのんびりと、
エトナ山を眺めながら、ブラッドオレンジで作った
ミモザなんか飲んだら、最高でしょうね。
ブラッドオレンジは、どっちにするかなー。
タロッコジュース(ブラッドオレンジジュース)1L

ブラッドオレンジジュースカンポ・グランデ・アランチャ・ロッサ
750mlカンポディフィオーリ社

アグリツーリズモは、カターニアの西にある
Agriturismo Bagnara」とかいいな。
(ホームページで宿の様子がみられます。
鶏の「ときを告げる鳴き声」が流れますので注意)

ワインはどうしましょう。
近年、質の向上が目覚ましい、シチリア・ワイン。

ワイナート23号シチリア特集》で研究しましょうか。

そのワイナート23号の表紙のワインは、《パッソピッシャーロ》。
ガンベロロッソ誌で最高の評価トレビッキエーリを獲得しています。

エトナの北の畑で育ったぶどうと地元の酵母で
しっかりした力強い仕上がりになっているそうです。

パッソピッシャーロ[2004]テヌータ・ディ・トリノーロ

おつまみはどうしましょう。
ドライチェリートマトもいいけど、ここは、やはりオリーブ。
聖アガタが処刑される時に、かがんだ場所から
オリーブが生えたとされています。
そんなことに思いをはせながら、ハーブとオリーブオイルに
漬け込んだオリーブをいただきましょうか。
シチリア・エトナ産・グリーン・オリーブ(300g)
(この時期、カターニアでは、Le olivette di sant'Agataという
アーモンドの粉でオリーブをかたどった表面が緑の
お菓子を作り、食べる)

池田夫妻がシチリアの美味しいレストランとワイナリーを巡っています。
シチリアは、なるほど美食の王国であることを納得させられます。
もちろんカターニアにも。
シチリア美食の王国へ》(アマゾン)

聖アガタとオリーブ。
the “olivette” of St. Agathaというお菓子の由来について

Select ItalyのCataniaのHistory&Attractions》より
《A final observation concerns a gastronomic tradition peculiar
to Catania, the “olivette” of St. Agatha. These cakes made of green marzipan and shaped like olives, evoke the memory of another miracle connected to the martyrdom of the saint. At the time of her execution, Agatha bent down to tie her shoe and upon that spot suddenly sprouted a wild olive tree, whose fruit was believed to have miraculous properties and was kept by the people of Catania out of devotion. 》


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